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一昔前は、「脂肪は悪」というイメージでしたが、最近は油を摂ることによって痩せたり健康になったりする可能性があるという考えもかなり一般的になってきましたね。

 

脂肪って別に害のある物質ではなく、人間の身体に必要な3大栄養素のひとつですし。

 

さて、いろいろなオイルについて調べていると「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」という用語が度々出てきます。どちらも脂肪の構成要素なのですが、なにがどう違うのか区別がなかなか難しくありませんか?

 

この記事では、それぞれの明確な違いや、多く含まれている食品、そしてどちらを優先して摂取するべきなのかなどについてわかりやすく説明していきます。

そもそも脂肪酸って何?

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「脂肪酸」は、脂質の構成要素で、エネルギー源として用いられます。

 

 

脂肪酸にはいくつもの種類があるのですが・・・基本は、炭素原子(C)と水素原子(H)、そして端に酸素原子(O)がつながった長い鎖のようなものと考えてください。

 

これが脂肪酸の例です。

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炭素(C)や水素(H)の数や、つながり方などの違いによって、脂肪酸の種類や性質が決まります。

 

何が飽和?不飽和?

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「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という用語を目にするたびに、「『飽和』って、何が?」と感じるのは私だけでしょうか。

 

結論から言ってしまうと、水素原子(H)が飽和しているかどうか、なのです。

 

先ほどお話ししたように、脂肪酸は、主に炭素原子(C)と水素原子(H)が結合してできています。

 

この二つの原子のつながり方にはルールがあり、1個の炭素原子(C)につき、最大2個の水素原子(H)が結合できることになっています。

   C-H
   |
   H

「炭素原子1:水素原子2」の結合は、水素原子の数が最大数、つまり「飽和」しているので、「飽和脂肪酸」と呼ばれます。

 

ところが、ここから水素が1組(2個)外れている脂肪酸があります。「水素が足りない=飽和状態ではないので、これは「不飽和脂肪酸」と呼ばれます。

 

ちなみに、「不飽和脂肪酸」では水素が足りないため、鎖の中で炭素同士で二重につながる部分が生じます。これを「二重結合」と言います。

 

脂肪酸

 

二重結合が存在する場合、炭素同士のつながりの隙間に酸素が入り込んで酸化しやすくなります。そのため、不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸に比べて劣化(酸化)しやすい性質を持ちます。

 

 

ミカサの旦那ミカサの旦那

・・・と言われても、今一つピンと来ないんだけれど。

ブログ管理人 ミカサブログ管理人 ミカサ

じゃあ、電車を例にして説明するわね。

 

 

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電車の中には、二人掛けの座席が並んでいます。この座席が炭素(C)です。そしてひとつの座席に腰かけているふたりの乗客はそれぞれ水素(H)です。

 

 

 

座席が乗客で埋まっている電車は、「飽和脂肪酸」です。

 

しかし、そこから2人の乗客が下りてしまうと、「不飽和脂肪酸」となります。

 

 

どうでしょう、何となくイメージできたでしょうか?

 

ちなみに、「不飽和脂肪酸」の中でも、水素が1組外れているものを「一価不飽和脂肪酸(いっかふほうわしぼうさん)」といいます。

 

そして、水素が2組以上外れているものを「多価不飽和脂肪酸(たかふほうわしぼうさん)」といいます。

 

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引用:SORA EPA+DHA

 

次に、それぞれの脂肪酸について、もう少し詳しく説明していきましょう。

飽和脂肪酸

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飽和脂肪酸は、安定しており、酸化(劣化)しにくく、常温では固体となります。

 

飽和脂肪酸のほとんどが動物性であり、体内に蓄積されて体脂肪になりやすい性質を持ちます。体内のコレステロールや中性脂肪を増加させ、血液をドロドロにするので、摂り過ぎは生活習慣病を招きます。

 

一方、植物性の飽和脂肪酸は、動物性とは異なった性質を持っています。例えば、ココナツオイルに含まれる脂肪酸は、体内に蓄積されにくい性質があります。また、免疫力を強化したり、アルツハイマーの改善に効果があるとされています。

飽和脂肪酸の多い食品

・肉類:牛肉、豚肉、鶏肉
・植物油:パームオイル、ココナツオイル
・乳製品:チーズ、バター、牛乳
・加工肉:ソーセージ、ベーコン

不飽和脂肪酸

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不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と逆に、不安定で、常温では液体となります。

 

不飽和脂肪酸は体内には蓄積しにくく、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす効果があります。

 

すでにお話ししたように、不飽和脂肪酸は大きく2つに分けられ、それぞれ異なった特性を持っています。

一価不飽和脂肪酸(いっかふほうわしぼうさん)

一価不飽和脂肪酸は、オメガ9とも呼ばれる比較的酸化しにくい脂肪酸です。

 

この脂肪酸は体内で合成することが可能であり、血中の悪玉コレステロールを減らす効果があります。また、一価不飽和酸に分類されるオレイン酸は、オリーブオイルの主要な成分ですが、胃酸の分泌や便秘の解消などの作用があります。

一価不飽和脂肪酸の多い食品

オリーブオイル
ヒマワリ油
キャノーラ油
ピーナツオイル
アボガド

多価不飽和脂肪酸(たかふほうわしぼうさん)

必須脂肪酸である多価不飽和脂肪酸は、体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があります。

多価不飽和脂肪酸は、オメガ6系オメガ3系に分けられます。

オメガ6系

オメガ6の代表であるリノール酸は、コレステロールを下げる効果がありますが、悪玉だけではなく善玉コレステロールも下がってしまいます。

また酸化すると発がん性が生じるので摂取に注意が必要です。

オメガ6系の多い食品

ゴマ油
グレープシードオイル
コーン油
大豆油
ひまわり油

オメガ3系

青魚に含まれるEPA・DHAやエゴマ油・亜麻仁油に含まれるαリノレン酸がオメガ3系に含まれます。

中性脂肪を減らしたり、ガンを抑制するなどの健康効果が指摘されています。不安定で酸化しやすいため、調理には向きません。

オメガ3系の多い食品

エゴマ油
亜麻仁油
青魚(サバ、イワシ、サンマ)
クルミ

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 必要なのはどちら?

脂肪酸はそれぞれ、異なった効果を持ちますが、身体を健康に保つためにはどちらかを摂るのではなく、それぞれを適切なバランスで摂ることが必要です。

 

これはビタミン類と同じですね。

 

例えば、いくら今人気の亜麻仁油やエゴマ油が優れた成分を含んでいるからといって、肉類(飽和脂肪酸)やその他の脂肪酸を取らなかった場合、身体のバランスが崩れて病気になるかもしれません。

 

適切な脂肪酸のバランスは、飽和脂肪酸が30%、一価不飽和脂肪酸が40%、多価不飽和脂肪酸が30%と言われています。

 

ミカサの旦那ミカサの旦那

とはいっても、「オイルや食品の量=脂肪酸の量」じゃないから
バランスをとるのも結構難しそうだな。

ブログ管理人 ミカサブログ管理人 ミカサ

確かに、健康な生活を送るためには、脂肪酸自体というよりも、
まず食事のバランスを考える必要がありそうね。

 

日本栄養・食料学会会長の近藤和雄氏によれば、

 

ご飯と味噌汁をベースとした伝統的な和食に、外国から入ってきた肉類や乳製品を程よく加えた現代の日本食を摂っていれば、脂肪酸のバランスはそれほど崩れることはないようです。

その(脂肪酸の)摂取割合はとりたてて過剰というものではなく、国際的に見れば優等生の部類に入るものです。

・・・

糖質制限食のような極端な方向に走らない限り、かなり完成度の高い食事となるのです。

参照書籍:『人の油はなぜ嫌われるのか』(技術評論社)

 

つまり、肉ばかり摂るとか、野菜を摂らないとか極端に走らず、和食に基づいた食事を摂っていれば、脂肪酸の理想的な比率から大きく外れることはない、ということですね。

 

まとめ

そもそも脂肪酸って何?

「脂肪酸」は、脂質の構成要素で、エネルギー源として用いられる
基本は、炭素原子(C)と水素原子(H)、そして端に酸素原子(O)がつながった長い鎖のようなもの

 

何が飽和?不飽和?

水素原子(H)が飽和しているかどうか

「炭素原子1:水素原子2」の結合は、水素原子の数が最大数、つまり「飽和」しているので、「飽和脂肪酸」と呼ばれる
ここから水素が1組(2個)外れてると、「水素が足りない=飽和状態ではないので、「不飽和脂肪酸」と呼ばれる

 

飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は、安定しており、酸化(劣化)しにくく、常温では個体となる

 

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と逆に、不安定で、常温では液体となる

 

一価不飽和脂肪酸(いっかふほうわしぼうさん)

オメガ9とも呼ばれる比較的酸化しにくい脂肪酸

体内で合成することが可能であり、血中の悪玉コレステロールを減らす効果がある

 

多価不飽和脂肪酸(たかふほうわしぼうさん)

必須脂肪酸であり、体内で合成できないため食べ物から摂取する必要がある

 

オメガ6系

コレステロールを下げる効果があるが、善玉まで下げてしまう

酸化すると発がん性も

 

オメガ3系

青魚に含まれるEPA・DHAやエゴマ油・亜麻仁油に含まれるαリノレン酸

 

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 必要なのはどちら?

身体を健康に保つためにはどちらかを摂るのではなく、それぞれを適切なバランスで摂ることが必要

適切な比率は、飽和脂肪酸が30%、一価不飽和脂肪酸が40%、多価不飽和脂肪酸が30%